今回は25年前、尺イワナの宝庫と紹介されている記事を片手に歩く気満々、釣る気満々で向かいました。
車をおりて歩くこと1時間半。急坂が続いたせいで息があがり汗だくになった二人は、「登山道」とだけ書かれた不思議な標識の指す方向に進む。釣り人だけが通る廃道になりかけた道は、崩れて途切れていても、くっきりと残された釣り人の足跡を辿って進むことが出来る。沢が道に近づいた辺りでやっと釣りの始まりとなった。正東がまだ釣り支度をしているうちに、徳2号が23センチをゲット。
23センチのネイティブはいかつい顔をした幅広ボディ
「こいつはこの沢では一番小さな奴に違いない。今から尺物のオンパレ-ドだ。」
調子に乗って禁句を口走ったタタリなのか、その後は魚の影もなし。
土砂崩れによって出来た通らず
通らずの先に宝庫あり」を信じて一旦山道まで登り、ガレ場を越えてふたたび入渓した。穏やかになった渓を釣り進むと水が切れて伏流になり、「伏流の先に宝庫あり」を信じて更に進むと、水量が復活して魚影が走り胸がときめいた。
フライを銜えきれない小イワナの当たりに混ざって20センチのイワナをなんとかゲット。
これほど山深いフィ-ルドなのだから、雪シロの後の初夏は未だに素晴らしい魚影なのかも知れない。でも、今回の辛さを考えると、もう2度と来ることは無いだろうと思った。
帰路、沢を眺めながら自分達が釣り上った距離の長さに驚いた。徳2号はすでに自分の耐久力を超えたハ-ドな釣行に、両膝を痛めて杖無しでは坂道の上り下りが出来ない始末。急な場所では座りながら移動すると言う醜態。正東は苦労の代償となる魚の当たりが一度も無く、「楽しいはずの釣りなのになぜ苦しいんだろう。」と自問自答。釣りをする前にプラス思考過ぎれば過ぎるほど、後は二人合わせて「身も心もズタズタ」状態になると言う一例をみなさんに紹介する羽目となりました。ジャンジャン♪♪
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