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試合でアゴ骨折

ボクシングサークル活動

コメント2件

試合でアゴ骨折の写真
21才の時、試合中に相手の強打でアゴを骨折した。

その日の試合は減量のきつかったライト級(60㎏)からライトウェルター級(63.5㎏)にクラスを上げて出たせいか、すこぶる調子が良かった。
相手選手は数ヶ月前にうちの後輩に1ラウンドKO勝ちした、強打とラッシングパワーの有る選手。

1ラウンド開始直後、得意の左ストレートボディから右フックをアゴに打つフェイントの先制打がモロに当り、続けた左ストレートも何度も決まって鼻血を出している相手選手の表情がビビッてる様に見えた。それは自分をよりリラックスさせるきっかけとなってくれた。
最終ラウンドは倒しに行くつもりで打って出た。その時、自分の左ストレートを待ち構えていたかのように右のウィービングからの鋭い右ショートフックが飛んで来た。
パンチは見えたが間に合わない。とっさのショルダーブロックや顔を横にそらすような技術は持ち合わせていなかった。グッと歯をくいしばった。「ゴツン」と言う鈍い音とともにマットに横たわってしまった。

意識はハッキリしていたが顔に重大な異常が生じていることを痛みやきしみで察知した途端、うめき声をもらしていた。立ち上がって戦ったにしても、続けて顔面を強打されれば残りの長い人生を五体不満足で暮らさなければならない恐怖が、短時間に理屈抜きで襲って来た。私はアレクシス・アルゲリョがアーロン・プライアーにダウンされて立たなかった時のように、試合を棄権した。

感動的な逆転劇で相手をヒーローにした脇役はリングを下りて鏡を見た。下の歯の真ん中が1cm程開いて血がドクドク出ている。まともにしゃべる事も出来ない。とりあえず自分の試合のレフリーをした方が、クルマでボクシング連盟の専門医の先生の所へ連れて行ってくれた。
「これは骨折しているな~」
すぐに水道橋の歯科大へと移動した。歯科大の大関先生はレントゲン写真を見ながら下アゴの正面が真っ二つに割れて、両サイドにも大きなひびが入っていると説明した。「今日は仮止めをして明日本格的に治療する」と言ってワイヤーで歯と歯の間を所々結んだ。
翌日、結んだワイヤーを全て解いて、今度はレントゲン写真と照らし合わせながら、歪みの無いように歯と歯の間を全てワイヤーで念入りに縫うように縛っていった。1度仮止めで一晩くっつきかけていた骨と骨が「ベキベキッ!」と音をたててまた剥がされて位置移動を余儀なくされる。その痛みと衝撃で顔が風船のようにみるみる腫れ上がって別人のようだ。
「大の大人がワンワン泣くのに君は強いね。」
かっぷくの良い大関先生が笑う。私は心で泣いて顔で笑う。
「年取ったらどっかの俳優さんみたいに、正面の割れたところに線が出て渋い二重アゴになるよ。」
喜んで良いやら・・・(現在まだ二重アゴにはなっていない)

それから数ヶ月間、ワイヤーでチャックされた口にまともな食料は入らず、ミキサーですりおろした流動食を流し込んだ。途中で飽きて何度も体が拒絶した。体重は試合の時から更に落ちてライト級を余裕で下回った。

私が高校生の時観た、モハメッド・アリがケン・ノートンにアゴを割られた時ってこんな感じだったんだな~と思った。最終ラウンドまで頑張ったアリは凄いと思う。

それから、試合中アゴを割られても最後まで頑張って判定まで行く選手の試合をいくつか観た。沖縄の仲里選手、協栄ジムの坂田健史選手、特に坂田健史選手の試合は感動した。
坂田選手は私よりももっと凄い骨折で、歯が殆ど陥没して(粉砕骨折?)歯茎しか見えなくて出血も止まらないまま判定まで戦った強靭な精神力の持ち主。試合にかける気持ちが並外れた尊敬する選手です。
私の試合は、タイトルもかかっていないオープン戦に過ぎなかったが、結果、アゴが割れても闘争本能でなりふり構わず最後まで戦ってしまう根性や勇気の無い、チキンハートである自分を確認した。
只、自分なりに褒めてあげたいのは、そんな自分を叱咤してアゴが完治した後も2試合出て、一つは負けたけれどもう一つは勝った事である。

リングの中で殴りあう修羅場、ボクシングは、自分にとっては無駄ではなく尊いものだった。

$ピュアティマスターのアウトドアな1日



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北区十条の焼肉店「焼肉いつものところ」について

韓流グルメ日本一決定戦2012に出場! 日テレ「ヒルナンデス」や「ABChanZoo」「火曜サプライズ」にも出演した、焼肉とお酒が楽しめる呑み処。



十条で10年目。佐賀県伊万里牛を扱う、焼肉と韓国家庭料理のお店。 2012年度の韓流グルメ日本一決定戦に出場し、2013年には雑誌やTVに度々登場。 平日限定「焼肉食べ放題(2400円)」やA5ランク和牛の「シャトーブリアン」、「石焼カレービビンバ」、十条でしか食べられない「まきまき」も人気。 東京でも数少ない和牛に適した「焼肉ロースター(焼機)」は水蒸気と遠赤外線の力で肉をより美味しく仕上げてくれます!

店長のトクさんについて

フライフィッシングとアウトドア、ボクシングが趣味な十条にある焼肉店の店長。



某高校ボクシング部の監督として活動後、親が経営していた「焼肉 金剛山」を継ぐ。2002年に十条に「焼肉ピュアティ」を開店。2011年に移転し十条で「焼肉いつものところ」の店長として現在活動中。また、自身が立ち上げたチームトクボクシング教室でコーチとして指導を行っており、月に数回練習会も実施している。

皆様の応援メッセージ(2)

  • 2010年03月08日 21:27

    1. こんばんは
    読んでてボクシングは危険と隣り合わせなんだなと改めて思いました★
    あたしもシロウトながらボクシングが好きで、今、ちょうどロイジョーンズJRのKO集の動画を観てたのですが、ああゆう華麗なファイトの裏でも危険がいっぱい存在してるのですよね
    あたしみたいに何のリスクも負わずに観戦しているる側の人間もそのコトは忘れるべきではないと思いました★

  • 2010年03月10日 17:34

    2. コメント返しが遅れました
    >ゆっちさん
    「ロイジョーンズJRのKO集」ってとても‘通‘ですね。
    私は一時期仕事に追われてボクシングから離れていた事があって、ロイジョーンズJRとかその時期の選手にうといです。
    ボクシングや他の格闘技も、危ないから惹かれるのかも知れませんね。危なさの中でしっかりと華麗な見せ所を発揮するかっこよさが魅力ですね。

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