今回はお店編を一挙公開
徳のドン引き話(お店編)
●その1 「野次馬警察官」
新大久保駅前で焼肉屋をやっていた20代後半の頃、衝撃的な出来事が有った。
深夜、店には女性客が一人、ホールにアルバイトの韓国の男子留学生が一人、私は厨房にいた。
中年女性客は悪酔いしたらしく独り言をブツブツとしゃべったかと思うと、ジーっと厨房の私をにらんだりしていた。ここまではよくあることで気に留める程の事では無かった。女性客は席を立ってトイレに行った。
暫くしてアルバイトの子が突如「うわぁ!うお~!!」と叫んだので何事かとホールを見ると、トイレから戻って来た女性客が下半身スッポンポンのまま立って無表情でこっちを見てる。
私は驚きながらも気を落ち着かせて、何をしているの?早く服を着るようにと即したが、酔っているのか一向に聞く耳を持たないで立っている。
仕方が無いので110番に電話した。
数分後、おまわりさんが大勢ドドーッと店に入って来た。二人位で済む筈なのに7人もいる。おまけに楽しそうである。
警察官に言われる通りに服を着て会計を済ませた女性は私に向って「いい男面して警察呼びやがって!」とはき捨てるように言って店を出て行った。
警察官もぞろぞろと店を出て行ったが、帰り際責任者らしき警察官が私に向って笑いながら一言、「どうせならもっと若くて美人なら良かったのにな!」
●その2「DNA」
次男坊とファミレスに行った。
しばらくメニューを見ていた彼は注文する料理が決まったらしく、ウェイトレスを呼んでメニューを読み上げた。
「さっぱりじゃ! このスパゲティ ください。」
最近はおもしろいネーミングのメニューが多い。私の店にも、<炎のユッケジャン麺>、<燃えるキムチチャーハン>、<ザ・スジ>等が有るし、以前は面白がって豚足を<ハイヒール>とメニューに書いた事が有った。
息子の注文を聞いたウェイトレスの様子がおかしい?!・・・そう、先日<マッコリ>の事を<モッコリ>と注文された時の私の顔!あきらかに笑いをこらえている。
私は息子が手にしているメニューをとり、同じところに目をやった。
「さっぱり じゃこの スパゲティ」
二人で笑い泣き。さすが俺の息子・・・。
●その3「そうです。私が天然マスターです」
最近数日間イライラしていた。
信頼していた米屋の米が炊き上がった途端から色が黄ばんでるのだ(-_-;)
つまんで食べてみると色に反して甘みがあって美味しい・・・。でも客商売で黄ばんだ米を出す訳にはいかない。
「肉の品質と鮮度に神経使うのが精一杯で、米の問題でおたくとイタチゴッコするほど暇じゃ無い!」
頭の中ではすでに業者を責めるセリフまで浮かんだりしていた。
翌日、今度はいつもより念入りに米をといだ。よ~くゆすいだ。そして炊いた。炊き上がりは・・・やっぱり黄ばんでる !(☆_☆)! 「クッソ~!」
すると隣で「メガネのせいじゃないの?」と言う声。
「ハッ!」最近作ったお気に入りのメガネ。茶色のレンズでミラー反射するやつ。普段は哀川翔を気取り、ひげをのばした時はラッツ&スターの鈴木雅之気分にさせてくれてる・・・。
・・・メガネを外して炊けたご飯をもう1度見た。
真珠のようにツヤビカリした真っ白なご飯だった!
こ、これって天然?!(><)ゞ
●その4「コラーゲン丼の思い出」
2007年1月に始めたコラーゲン丼(380円)は同年10月に終了した。沢山出てくれなければ採算が取れないからだ。
売り出しの初日に面白い出来事が有った。
当時の日記
『私は最近、老化現象との戦いで苦労をしている。
先日も定期健診でコレステロールが多いと言われたホール係のおばさんが、その事ばかり気にして仕事中言葉にならない言葉を発している。「マスター、それはあれなのよ。」「それってなに!あれってなに!」皆さんも喋る時は落ち着いて単語をしっかりと思い浮かべて喋らないと、老化が促進されてしまいますよ。
その日はかねてから準備してきた「コラーゲン丼(牛スジ丼380円)」を始めた初日だった。でもなかなか注文に至らない。そんな矢先「店頭に380円の丼ぶりが有ったけどあれ何?」と言う御婦人たちの声!(注文が来るな。)と耳を澄ますと「コレステロール丼のことですね。」と、うちのおばさんの答え!私は一人厨房の中で笑い泣きしながら「注文が来るわけ無いよな~」と呟いた。』