ロポポロを倒して世界を取った試合は、右フックが当たるのとロポポロが倒れるのが同時と言う戦慄のダウンシーンでした。
日本でテンプシーロールを実践して成功した唯一の選手と言うのも貴重です。エディータウンゼントが教えた傑作ですね。
藤猛が相手をロープに詰めて右アッパーを顔面に打ったところ、ロープ最上段からリング下に相手が落下する試合が有りましたが、今でも有りえない事で、漫画でそう言うシーンが描かれるようになったのもそれからです。
藤猛物語りと言う映画も放映されて、映画の中の試合は全て本当の試合が映されていたと思います。
ボクシング雑誌でパンチ力比較としてモハメッド・アリ200㎏、藤猛250㎏、ジョージー・ファマン300㎏と言う比較が有りましたが、スーパーライト級としては破格のパンチ力でした。私は今でも日本の歴代パンチ力ナンバーワンだと確信しています。
腰痛や金銭面での自己主張も強く長期休養、試合のドタキャンも有りましたが、引退して数年経ってハワイでスパーしているのを当時のスーパーフェザー級チャンピォン、ベン・ビラフロアが観て「凄い!爆撃機のようなボクサーだ。強いチャンピォンだったと聞いてはいたが、これ程とは!今でもアドルフ・プリット(当時のウェルター級有名世界ランカー)あたりとやっても勝てそうだ。」と驚かせたそうです。
2度目の防衛戦のローチェに負けるまでにノンタイトル戦を3~4試合行った記憶が有りますが、その中で元世界チャンピォンの顔に黒タン作ってボコボコにして倒した試合は凄まじかったです。
インテリジェンスでスタイリッシュなボクシングをする外人選手が藤猛のパンチを受けてしまったその瞬間から、ボクシングが鈍り別人のように頼りなくなる姿は、怖いもの見たさを満たしてくれるぞくぞくするものが有りましたね。