ミスターノックアウト・カルロス・サラテを破り世界バンタム級を長期防衛したルペ・ピントールは、ラウンドが開始するたびに強烈な右ストレートを先に打っていた。チャンピォンに15ラウンド15回これをやられる相手選手にはプレッシャーだったに違いない。
ラウンドの始めやレフリーが「ストップ」をかけて「ボックス」と言うたびに先手を打てば、気を抜いていたり少しでも休もうとしている相手に対し精神的に上回る事が出来る。
ここでは
「ボックス」=先手 と言う題名で技を紹介する。
★いつ打つか
1.ラウンドの開始毎
試合開始や最終ラウンドに選手同士が手を合わせる場面をプロの試合で見かけるが、アマチュアではこれをやると反対にレフリーに注意される。
プロでも初回からラッシュ掛けると決めていたり、11ラウンドにKOしそこねて最終ラウンド一時を争う状態でグローブを合わせる必要もないし、空気を読めないレフリーの指示に従う必要もない。
つまり、やる気さえあればラウンドの開始毎に先手を決めるチャンスが有ると言う事だ。
2.反則に対する注意が入る毎
レフリーが「ストップ」と言って中断し相手に反則を注意した時、又は自分が反則を注意された時、次に「ボックス」と言って再開するその時が先手を決めるチャンス。
3.ダウンを取った時、又は取られた時
レフリーが「ストップ」をかけてカウントを数える。そして再開の「ボックス」が先手を決めるチャンス。
4.「ブレイク」の後
反則の無いクリンチ状態の時、レフリーは「ストップ」も「ボックス」も言わずに「ブレイク」とだけ言う。
その際選手は必ず1歩下がった後、競技を続ける。「ブレイク」で1歩下がったらすぐに先手を決める。
余りフェアでは無いが、わざと「ブレイク」で1歩下がらなかったら、レフリーは「ストップ」を言い、下がらなかった事を動作で示して注意した後「ボックス」と言う。その時も先手を決めるチャンス。
★「ボックス」=先手の出し方
上記1.ラウンドの開始毎、3.ダウンを取った時、又は取られた時、4.「ブレイク」の後はオンガードで対応するが、2.反則に対する注意が入る毎はやる気なさげにガードを下げて相手に油断させる。ガードはすぐに上げられるように両手を両胸につけておく程度で目つきも鋭く無いように待機する。
「ボックス」の「ボ」で動作に入り「ス」でパンチが当たるようにする。
真っ直ぐ正面から打って行かずサイドから行く。
特に上記3.ダウンを取った時、又は取られた時は相手が1発を狙っているだけに注意する。
自分がダウンを取った後サイドから攻めて相手が横を向いた状態で打たれれば、レフリーはすぐに試合を終了する事が多い。
具体的に
・左サイドステップ右ストレートからワンツー
左サイドステップは大きく速く、相手の肩の横に1回で回り込めるように。左サイドステップ右ストレートまでをワンツーのタイミングで行う。
・右ステップ右ストレートからワンツー
右ステップは大きく速く、相手の左足の横に踏み出す。右ステップ右ストレートまでをワンツーのタイミングで行う。相手の右ストレートとの相打ちに注意して左手のガードを忘れずに。