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焼肉いつものところの
トクさんの日記

 
新大久保駅前で焼肉屋をやっていた20代後半の頃、衝撃的な出来事が有った。

深夜、店には女性客が一人、ホールにアルバイトの韓国の男子留学生が一人、私は厨房にいた。
中年女性客は悪酔いしたらしく独り言をブツブツとしゃべったかと思うと、ジーっと厨房の私をにらんだりしていた。ここまではよくあることで気に留める程の事では無かった。女性客は席を立ってトイレに行った。

暫くしてアルバイトの子が突如「うわぁ!うお~!!」と叫んだので何事かとホールを見ると、トイレから戻って来た女性客が下半身スッポンポンのまま立って無表情でこっちを見てる。
私は驚きながらも気を落ち着かせて、何をしているの?早く服を着るようにと即したが、酔っているのか一向に聞く耳を持たないで立っている。

仕方が無いので110番に電話した。
数分後、おまわりさんが大勢ドドーッと店に入って来た。二人位で済む筈なのに7人もいる。おまけに楽しそうである。

警察官に言われる通りに服を着て会計を済ませた女性は私に向って「いい男面して警察呼びやがって!」とはき捨てるように言って店を出て行った。
警察官もぞろぞろと店を出て行ったが、帰り際責任者らしき警察官が私に向って笑いながら一言、「どうせならもっと若くて美人なら良かったのにな!」



みなさんいかがお過ごしでしょうか?
きっとア~シテコ~シテ楽しんでるんだろうな~・・・うらやましい!

私は店がたいして忙しくも無いのに力不足で相変わらずパニクッてます。
昨日も「ソルティドック一丁!」の声に「トリテイショクはランチメニューだからこの時間はやってないよ!」「ソルティドック!」「だからトリテイショクは・・・」てな調子です。遊びに行きてえ~!



次男坊とファミレスに行った。
しばらくメニューを見ていた彼は注文する料理が決まったらしく、ウェイトレスを呼んでメニューを読み上げた。
「さっぱりじゃ! このスパゲティ ください。」

最近はおもしろいネーミングのメニューが多い。私の店にも、<炎のユッケジャン麺>、<燃えるキムチチャーハン>、<ザ・スジ>等が有るし、以前は面白がって豚足を<ハイヒール>とメニューに書いた事が有った。

息子の注文を聞いたウェイトレスの様子がおかしい?!・・・そう、先日<マッコリ>の事を<モッコリ>と注文された時の私の顔!あきらかに笑いをこらえている。

私は息子が手にしているメニューをとり、同じところに目をやった。
「さっぱり じゃこの スパゲティ」
二人で笑い泣き。さすが俺の息子・・・。
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韓国のどぶろく、濁り酒を「マッコルリ」と言う。発音がしにくいので通常「マッコリ」で通っている。
私が主催している青空倶楽部の忘年会でも、すっきりして飲みやすいと好評だった。
この前ボクシング後援会の忘年会で翌日の仕事を考えてチャンポンを避けて誰も飲まないので、飲み心地が良いのにまかせて一人で1本空けてしまった。ところが翌日力が沸いたようにすこぶる体調が良い。米系のせい?

ある日馴染みのお客さんである御婦人が男性2人と食事をしていて、カウンターに座っている私と目が合い飲み物を追加して来た。
「モッコリちょうだい!」
「!!・・・」
この奇襲に私は驚きと困惑でリアクション出来ず固まってしまった。瞬時に隣のガラスに映った自分の顔を見た。唇は噴出すまいと尖らせたまますぼめ、驚きで丸くなった眼、ヒョットコそっくりだ。
(平常心、平常心)・・・深呼吸をした私はタイミングを見計らって厨房に向って小さな声で伝えた。
「マッコリ1本追加です。」
だが運の悪い男の定めなのか、こう言う時に限って御婦人席の会話が偶然とまり、聞こえてしまった。
御婦人はお酒を飲んで赤らんだ顔をさらに赤らめながら私に言った。
「やだ~!恥かかせないで!!」



2007年1月に始めたコラーゲン丼(380円)は同年10月に終了した。沢山出てくれなければ採算が取れないからだ。

売り出しの初日に面白い出来事が有った。
当時の日記

『私は最近、老化現象との戦いで苦労をしている。
先日も定期健診でコレステロールが多いと言われたホール係のおばさんが、その事ばかり気にして仕事中言葉にならない言葉を発している。「マスター、それはあれなのよ。」「それってなに!あれってなに!」皆さんも喋る時は落ち着いて単語をしっかりと思い浮かべて喋らないと、老化が促進されてしまいますよ。

その日はかねてから準備してきた「コラーゲン丼(牛スジ丼380円)」を始めた初日だった。でもなかなか注文に至らない。そんな矢先「店頭に380円の丼ぶりが有ったけどあれ何?」と言う御婦人たちの声!(注文が来るな。)と耳を澄ますと「コレステロール丼のことですね。」と、うちのおばさんの答え!私は一人厨房の中で笑い泣きしながら「注文が来るわけ無いよな~」と呟いた。』



最近数日間イライラしていた。

信頼していた米屋の米が炊き上がった途端から色が黄ばんでるのだ(-_-;)
つまんで食べてみると色に反して甘みがあって美味しい・・・。でも客商売で黄ばんだ米を出す訳にはいかない。
「肉の品質と鮮度に神経使うのが精一杯で、米の問題でおたくとイタチゴッコするほど暇じゃ無い!」
頭の中ではすでに業者を責めるセリフまで浮かんだりしていた。
翌日、今度はいつもより念入りに米をといだ。よ~くゆすいだ。そして炊いた。炊き上がりは・・・やっぱり黄ばんでる !(☆_☆)! 「クッソ~!」
すると隣で「メガネのせいじゃないの?」と言う声。
「ハッ!」最近作ったお気に入りのメガネ。茶色のレンズでミラー反射するやつ。普段は哀川翔を気取り、ひげをのばした時はラッツ&スターの鈴木雅之気分にさせてくれてる・・・。
・・・メガネを外して炊けたご飯をもう1度見た。
真珠のようにツヤビカリした真っ白なご飯だった!
こ、これって天然?!(><)ゞ



その5 紀ノ川のナマズ

紀ノ川での釣り
渓流の話では無いが、聞いた後に何とも爽快な気分にさせてくれる話である。
私の友人の秋君が、親戚の事業を手伝いに和歌山県で暮らした頃に、実際に見た出来事である。
親戚の事業とは金融会社で、秋君はそこの店長として暇な毎日を過ごしていた。ある時、定休日を利用して社員達と紀ノ川で釣りをしながら、のどかな一日を過ごしていた。釣れても釣れなくてもいいやと起き竿にしておいたのが突然しなり始めた。大騒ぎの後に釣れた予期せぬ獲物は真っ黒いナマズだった。さっそくその足で会社に行き、使っていなかった大きな水槽を取り出して、ナマズを入れた。
 
ナマズの災難
次の日出社すると、社員の一人が近くの熱帯魚屋で小さくて綺麗な魚を沢山買ってきて、ナマズのいる水槽に入れた。ところが、水槽に入れた途端に小さな魚達がナマズめがけて一斉に襲いかかっていった。そう、その小さな魚達とは何とピラニアだったのです。ナマズにとってはとんだ災難でした。ピラニア達は急降下して噛み付く奴もいれば、スト-カ-のようにつきまといながら突っつき回す奴もいましたが、いかんせん小さいのでナマズはすぐに弱ってしまう事は有りませんでした。ナマズはと言うと、慌てて暴れるそぶりもなく嫌がって逃げる事もせず、目だけをギョロつかせながら動じないその姿には見習わなければいけない威厳が漂っていたそうです。それでもピラニア達に噛み付かれたところは黒い皮が剥げて白くなっていたり、ひどいところは白い糸くずを引くように皮膚がボロボロになっていました。「こりゃあかんのう。明日は骨だけんなって浮いとるわ。」社員達はナマズを気の毒に思いながらも、誰一人紀ノ川まで帰しに行こうという、既得な考えを持つ者もいないまま全員が退社してしまった。

怖いもの見たさ
翌日、出社した社員達はドアを開けて入るたびに、真っ先に水槽に目をやった。まさに”怖いもの見たさ”である。そして誰もが「ウオ-ッ!」と仰天して声を上げた。そこには骨だけになったナマズの見るも無惨な姿では無く、元気に泳ぐナマズの姿しかなかっのである。ピラニア達は全てナマズのおなかの中に収まってしまったのです。夜行性のナマズさんは夜をジ-ッと待って、一気に逆襲に出たわけです。それからというものは、社員全員がこのナマズを”先生”と尊敬し、朝、夕の挨拶も欠かさなくなったそうな・・・。



その 10 お姫様

東北は福島県南会津に、桧枝岐と言う昔平家の落人が隠れ住んだ事で有名な村がある。
春に同じ南会津の湯野上温泉にある鶴沼川に、友人と3人で釣りに行った時だった。
渓流脇で畑仕事をしている若い婦人、菓子パンやコーヒーを買いに入った雑貨屋のかみさんも一様に綺麗である。
「ここは桃源郷だな。」「きっとここも桧枝岐と同じで、先祖は平家のお姫様達だぜ。」

そんな話で盛り上がりながらポカポカ陽気の渓流沿いの道を歩いていると、今度はセーラー服の可憐な女子高生が二人自転車で近づいてくる。
二人とも色白でハッキリとした目鼻立ち、大きな瞳に吸い込まれそうだ。ニコッと微笑み、手を振りながら「ようこそ、湯野上へ」と確かに言った。
我ら一同.:♪*:・'(*⌒―⌒*))) スペシャルスマイル
都会では絶対にありえない出来事である。となりの友人は何を勘違いしたのかポケットからお札を出そうと慌てている ヾ( ̄o ̄;)オイオイ
女子高生二人は、こちらが見えなくなるまで、振り向いては手を振り続けて去って行った。しばらく歩くと「インターハイ開催!」と書かれた大きな看板が所々で目に付いた。地元一丸となって夏のインターハイ開催を成功させようと頑張っていて、女子高生達もオヤジ3人に手を振って微笑んでくれた訳だ。

タバコが切れたので一同タバコ屋へ。
お姉さんが出て来て、あまりの美しさにこれまたビックリ! w(゜o゜)w w(゜o゜)ww(゜o゜)wオオー!
いくぶん彫が深くて、スッピンなのに化粧をしているように見える。切れ長な流し眼からニコリと見つめられて、その色気にオヤジ3人金縛りに会った様に横一列に整列してしまった。┏| ̄^ ̄*┏| ̄^ ̄* | ┏| ̄^ ̄* ||
ゴクリとつばを飲み込む音を立てた友人が、マイルドセブンとセブンスターの並ぶ棚を指差して「タバコ下さい」と言った。
お姉さんは、何かをたくらんだようないたずらっぽく怪しい眼でわれら3人を見回した後、低い声でゆ~っくりとこう言った。
「ま・い・る・ほ~お(参る方)?ま・い・ら・な・い・ほ~お(参らない方)?」
整列したオヤジ3人打ち合わせをしたわけでもないのに、一斉に
「マイルド(参る方)セブン~!」と答えていた。\(。・_・(。・_・(。・_・。)ノ



その9 変人集合(3)

2002年3月1日、フライフィッシングのエキスパートしばた和氏の事務所を訪ね、マテリアルとリ-ダ-とティペットを仕入れた。
その日の夜、さっそく通販責任者の「変人J」君に持って行った。
変人は満足そうに販売用と自分用を区分けした後、耳を疑うような一言!
「今日はこいつと風呂に入る」
「え?!」
私は彼の手元にあるリ-ダ-を確認するように見つめながら、「な、何で?」と聞いた。
「ス-パ-フロ-ティングリ-ダ-と言うぐらいだから、どのぐらい浮くのか確かめる」
私は変人の顔をじ-っとのぞき込みながら、恐る恐る質問した。
「今まで他のどんなものと風呂に入ったの?」
変人は自慢げに答えた。
「ヘア-ズ・イア-ニンフ」
「な、何で?」
私はリアルというよりも”そのもの”であるウサギの耳から毛を引きちぎりながら作るそのニンフと一緒に風呂で遊ぶ彼の姿を想像しながら、オカルトの世界に引きずり込まれないようにと祈った。
変人は、「風呂の中でニンフのヘア-が水流にもまれてどういう風に揺れ動くのか見たかった」
「どうだった?」
「ベチャ-ッとしてて、ち-っとも分からん。魚しか分かんね-よ。わっはっは!」
変人がフライを始めたのは、私が連れて行ったのがキッカケである。私はあまり意識していないが、たまに私のことを”師匠”と呼ぶ。だが私はこの日、彼が私を完全に追い越して”行ってしまった”事を痛感した。



変人S君は、フライタイイングの達人である。
彼の巻いたフライは完璧な物ばかりで、管理釣り場でインストラクタ-をしているエキスパ-トと呼ばれている人までもが、ボ-ゼンと見とれてしまう程である。
ある日私は彼が釣り場に持って来たテレストリアルフライが、何時にもましてリアルなことに注目した。その怪しげな艶と質感はどう見ても本物のように見えた。
「これ、何見て巻いたの?」 
「家にいたゴキブリ・・・うそうそ!殺してないよ-まさか-」
「・・・!」 
私は彼の家にはゴキブリも蚊も少なくなってると確信した。



以前大学教授だった先輩Rも、私との釣行をキッカケにのめり込み先に”行ってしまった”一人である。
結婚式で新郎の親族として紹介される時でも、「学生に勉強を教えずに釣りばかり教えている大学教授」などと冷やかされる始末である。
ある日、近くに寄ったついでに先輩Rのいる大学の部屋を訪ねた。
その部屋には顔見知りの先輩がもう一人同室していた。部屋の真ん中には大きな水槽があり、その中で15㎝程の小さくて綺麗なヤマメが気持ち良さそうに身をひるがえしていた。
「先輩これどうしたの?」
「奥多摩で釣ってきた。」
「こんなに小さいのかわいそうだよ。」
「大きくなるまで大事に育てて、川に戻すんだ。」
幸せそうな表情を見ていると、それ以上何も言えなくなった。正論かも知れない。
小さいまますぐに釣られて心ない釣り人に一口で食べられてしまうよりは・・・。なによりも大好きなヤマメと一緒の空間で時が過ごせると言う贅沢がちょっぴり羨ましかった。
真夏に涼を運んできたヤマメに、同室のもう一人の先輩も嬉しそうだった。
それから3週間後、ボクシング部のコ-チをしに大学に来た際に、先輩Rではなく、あのヤマメに会いたくて部屋を訪ねた。
入ったとたん、部屋が暗く感じた。二人ともいるのだが表情が沈んでいる。
とっさに水槽に目をやると、あのヤマメはいなかった。
「死んじゃったの?」 
「・・・」 
「先輩のことだから涙浮かべながら土掘って埋めて、墓作ったんじゃないの?」
「・・・」
すると突然もう一人の先輩が、悲痛な表情で私に訴えるように「それならまだいいよ!
いまだ別れられなくて死んで一週間も経つのに、皿にのせて冷蔵庫の中にまつってるんだから・・・。一緒に暮らして冷蔵庫利用してる俺の気持ちが分かる?」
私は「変人じゃないの?!」と冷やかしながら部屋を出た。
同室の先輩も可哀想だが一番可哀想なのはヤマメである。



・ブル-ガイドブック、「渓流釣りの旅」を読んで

初めて前日光の大芦川に釣りに行ったのは高校1年の時だった。
その頃でもすでに奥多摩や丹沢、奥武蔵、秩父では魚がスレていて、容易には釣れなくなったと感じ始めていた。だが、東京、神奈川、埼玉より遠くへ釣りに出掛けるのは当時の自分達にはいささか冒険に思えた。
小学校の頃から大事に読んでいた飯田という人が書いたブル-ガイドブック、「渓流釣りの旅」を何度も読み返しながら、一大決心で大芦川に行くことを決めた。
浅草を昼に出て東武線で新鹿沼まで行き、そこからバスに揺られながら、ため息の出るような素晴らしい渓流を見つめて初めての遠出に胸がときめいたものだ。
同行したのはJ君とC君で2人共家が浅草だった。浅草と言えば、”石を投げればヤクザに当たる”と言われたほどヤクザが多く「仁義無き戦い」と言うヤクザ映画の大ヒットにより街もにわかに活気だっていた。
J君はともかくC君の方はすでに任侠の世界に生きる雰囲気が漂い、顔も高倉健に良く似ていてケンカも強かった。
自然を愛する渓流釣りを楽しむ位だから、彼とは純粋な気持ちで通じ合うものが有った。

・ノスタルジックな雰囲気に興奮

古峰神社宿坊へ到着し先に宿泊費を払うと、坊さんが部屋へ案内してくれた。
部屋と廊下には大小様々な天狗の面が飾られていて、その貫禄と厳粛な雰囲気に圧倒された。
ここ古峰神社は天狗の神様を奉っていて、宿泊客は希望すれば、翌朝座禅を組み祈祷を受けることが出来る。とは言っても殆どの人がそれを目的にここを訪れる。釣り人や登山客は旅行の思い出に座禅を組んでいく人が多いようだ。必死の思いで祈りに来ている人達の邪魔にならないようにしよう。
部屋も決まり釣り支度を急いでいると、いきなりお婆ちゃんが襖を開けて「だに!」と言うので驚いた。「え!ダニ?!」と聞き直すと「めしだに!」どうやら食事の時間らしい。
早い夕食と、近場の釣り場では聞いたことの無かった方言と、圧倒的に迫ってくる天狗のお面・・・。
私はノスタルジックな雰囲気にすっかり興奮していた。
「やっぱり旅行はいいよな~」
J君もご機嫌である。C君も感慨に浸っているのか口数が少なかった。

・急用

早い食事を済ますと、一斉に川に出た。日暮れまでに1時間有る。
エンテイのプ-ルを3人で狙った。トンボがいっぱい飛んでいたので、それを捕まえてエサにしたら途端に小型のヤマメが釣れだした。C君が型の良いヤマメを釣った。
3人でそのヤマメに見とれていると、突然C君が「俺、用事思い出した!」と叫んだ。
「え?!何の用事?」 
「姉貴と今日約束があったんだ」 
せっかく来たのだから、姉さんに電話して泊まっていくようにと言う二人の制止も全く聞こうともせず、その場から走り去ってしまった。
唖然としていた私は勝ち逃げされて、少し悔しいような寂しいような複雑な気分で彼の後ろ姿を見送った。

鈍感な私がC君の突然帰ることになった本当の理由が”天狗のお面が怖いから”と言う事実を知ったのは、それから何年も後のことである。.



その5 危ないやつ

2007年3月に群馬県沼田周辺で釣りを楽しみました。
山菜採りを覚え始めの私は、その少し前に千葉で教わりながら採った楽しさが甦り、山菜を探してキョロキョロと釣りになりません。
沼田周辺は千葉より1ヶ月以上春が遅いようで辺り一面まだ茶色の世界です。そんな中見つけたフキノトウはエメラルドの宝石のように輝いてましたね。味をしめた私は他に何か無いものかと辺りを探し歩きました。するとアサツキのような葉を見っけ!掘って見ると立派な球根付き!威風堂々として見えました。
家に帰り袋から沢山取り出し、匂いをかんだ後かじって見ようとも思いましたが止まり、山菜図鑑を開きました。すると似たものにキツネノカミソリ有り!「間違って食べると神経麻痺を起こし死に至る」ゲゲッ!ヾ(゜0゜*)ノ「疑わしきもの採るべからず」大原則ですね(__。)私はそれを店の前の鉢に植えました。しばらくするとキツネノカミソリ特有のピンクの花が咲くはず・・・。
数日後、咲いた花を見てびっくり !(☆_☆)!
黄色い花!水仙でした。この頃、水仙の葉をニラと間違えて売ってしまい、買って食べた人が食中毒を起こしたと言うニュースが流れましたね。
一連の小さな騒動から私が痛感した事、「女房と山菜は苦手だけど好きだ~!」何のこっちゃ!<(_ _)>



徳は自他共に認めるアナログ人間である。
そして自分がそうだからと言ってアナログ人間=地下鉄が苦手=首都高も苦手と言う図式を勝手に信じ込んでいる。

めったに利用しない地下鉄の切符売り場では、路線図をたどっても中々目的地を探し出す事が出来ないで立ちすくんでしまう。そこに都営?営団?勘弁して?!

首都高も入り乱れた線の合流には参ってしまう。首都高を利用する今回の房総方面行きとなると、仲間の運転する車の後をストーカーか金魚の糞のようにつきまとう覚悟だ。

これらの原因として、物事をあまり真剣に覚えようとしない単なる天然と言う下敷きが有ると思う。

数年前こんな事があった。

「釣り行きの車内にて」

二人ともトイレ休憩の為、サ-ビスエリアに入る。

方向オンチな徳、何を思ったのか出て行く車の後に付いてそのまま出てしまった。

  「ココはどこ?アタシはだれ?」

はちきれそうな膀胱を抱えて、正東が叫ぶ!

  「僕が彼女だったら、絶対別れてやる!」



草津に次男坊と行きました。
草津の嫗仙ノ滝と言う所に渓流魚がいるか気になってたので、きついトレッキングコースでは有りますが向いました。
入り口には「クマ出没注意」の看板と共に「発砲注意!」「クマが出たら騒がずにそっと離れるように」「この缶を叩いてから進んで下さい」と言った物騒な看板ばかり。
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ここまで見れば普通の人は気が変わって先に進もうとしないが、「そんな所ならばめったに人が入らずに釣り人にとってパラダイスに違いない」と期待を膨らませてしまう悲しい釣りキチの性。
先ずは備え付けの醤油缶を思い切り叩いてみる。たちまち「ギャッギャッ!」「チチチ!」「ピーピー!」「ウオーグオー!」と聞こえてくる。まてよ?最後の泣き声は何だ?次男坊と目を合わせもう一度叩いて見る。「ウオーグオー!」・・・
それからと言うものの息子は醤油缶、私は鈴を思いっきり鳴らしながらパチンコ屋の開店日のチンドンヤさんのような騒ぎで先に進んだ。先の見通せないカーブでは怒涛のような騒ぎである。
嫗仙ノ滝の有る小雨川に着いて釣りを始めたが、たいした時間もかからずにこの川に魚が棲めないと分かった。水質が悪いのだ。
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釣りを止めて振り向くとカップル一組とお年寄り5人が到着。人が他にいると言う事がこんなに頼もしいとは!帰りはお年寄りグループと一緒だった。
到着するまでにクマよけの為に叩く醤油缶が三箇所、その一つをおじいさんが涼しい顔で「コン」と叩く。そうだ、それで良かったんだ。クマの聴覚には十分な効果なのだ。
それを手に持って叩き続けた自分達が恥ずかしくなる。顔を赤らめた息子が一言つぶやいた。「この道には当~分!クマは出て来ないだろうな~」



清里大門川で好釣してホクホク顔で車に戻ってみると、車内は蒸し風呂状態だった。正面のウインドウガラスの真下に正東の携帯電話が6月の太陽の光をもろに浴びてギラギラと輝いていた。
「こんなところに置いとくと壊れちゃうよ」と行った時にはすでに手遅れで、液晶画面は何も映らなくなっていた。それでも釣れて機嫌の良い正東は、さほど気にするでもなくモスバック(徳の師匠が経営する喫茶店)へと向かった。
モスバックで釣り談議も一段落したところで、正東が思い出したように携帯をテ-ブルの上へ置き、「これどうしたら直るかな-」と言った。
事情を聞いた師匠が突然目を輝かせながら、「うちの冷凍庫に入れてみたら?」と言った。
熱してやられたのだから冷やせば治るかも・・・。単純な発想である。しかしこれは、釣りの達人的な発想でもある。押してもだめなら引いてみな、浮かせてもだめなら沈めてみな、自然に流してもだめなら動かしてみな。すでに釣りモ-ドに思考が染まっている正東と私徳は、師匠の「的を得たお言葉」に感動してしまってる。
かくして正東の携帯電話はモスバックの大きな冷凍庫に数時間眠る羽目となりました。
そして数時間後には見事な金属アイスノンと化したのでした。
私は釣りの達人と呼ばれる方々が釣りの世界を脱すると、少し変わって見られるその根源を垣間見たような気がした。



南伊豆波勝崎と言う所に、お猿がたくさんいる海岸が有る。
若い頃友人Sと一緒に遊びに行った。

今はどうだか分からないが、当時はお猿との触れ合いも多い反面、いたずらされることも多かった。
到着してすぐに女性の悲鳴が聞こえたので振り向くと、猿がおばさんのハンドバックをひったくって塀の上に逃げている。監視員が「こら!」と怒ると、余計皮肉れてハンドバックを下に向けて開いて中身を全部下に落としてしまった。友人Sと私はいけないと思いながらもこらえ切れずに笑ってしまった。

無法常態かと思ったがそうでもない。犬が3匹離れて並び一定の場所から猿達が逃げられないように監視している。

お猿の海岸を散歩していると、今度は若い女性の正面に小猿が座り込んでスカートを引っ張って話さないでいる。困った女性がハンドバックからクッキーを出して渡すと喜んで食べる。便乗して後ろにも座り込んで女性のスカートを引っ張ってねだる奴がいる。それは何と!いつの間にか私の隣から消えた、友人Sだった(爆笑)。
女性はゲラゲラ笑いながら「あら、貴方も欲しいの?!」と言って、Sにもクッキーをくれた。私はSからクッキーのおすそ分けを食べながら、楽しい旅行に満足した。



久々に爽やかな寝覚めで気分良く十条商店街を歩いていた。その時、朝の爽快な気分にピッタリマッチしたカーペンターズの「イエスタディ・ワンスモア」が流れて来た。~♪~♪
耳を澄ますと「特選CD・DVDフェア」と書かれた催事場から聞こえて来る。ついふらりと店内に入る。

あれは徳が17の頃だった。カーペンターズが来日して、当時付き合っていた彼女とライヴを見た時の思い出が甦る。カレンの優しく響く低い声と歌っている時の笑顔がとても素敵だった。誕生日も血液型も一緒で名前も似ていた当時の彼女の思い出とオーバーラップする。昨日の事のようにリアルに甦る。

徳はつい感極まって流れる曲と共に口ずさんでしまった。
「エブリィ♪シャラララ♪」♪ララララララララ♪「・・・?」♪ララララララララ♪ララララ♪「× ××!!」
ララララは限りなく続きそうだった。

あわててCDを止めに来る店員、買う前で良かった~としらけて店を出る徳。 ージ・エンドー


・デート編

好きな彼女が出来てデートに誘った。映画~食事と言うごく普通のデート。
でもその内容が普通じゃあ無かった・・・。

その日に観た映画は「仁義無き戦い」。映画館入り口でチケットを買う時、初のデートで浮き足立ったB先輩は、「男1枚、女1枚」と言い切った。
彼女はその時、面白い冗談を言う人だと思ったそうだ。

映画を観た後、近くのレストランへ。
B先輩は映画の興奮がまだ冷めやらぬ様子。

ウェイター 「ご注文の方お決まりでしょうか?」
B先輩   「スパゲティ。」
ウェイター 「ミートになさいますか?ナポリタンになさいますか?」
B先輩   「俺はス・パ・ゲ・テ・ィが食いてんだ。」
ウェイター 「ミートになさいますか?ナポリタンになさいますか?」
B先輩、仁義無き戦いのやくざになり切ってテーブルをバーン!と叩いた。
       「この店は客が食いたいものも食わせねえのか!」
ウェイター 「あの~当店スパゲティにはミートとナポリタンがあるんですが~。」
B先輩   「そ、それを早く言え!」

この日、彼女とのデートが最初で最後になったのは言うまでもない。



・パチンコ編

ある日B先輩がパチンコをしていた。それを見ていた後輩が後でその異様な光景を語ってくれた。

玉がよく入り始めた途端に出所が詰まり流れが悪くなって、せっかくのチャンスを逃してしまった。
「このクソ台!」
台を叩いて怒った先輩の顔が、しばらくして泣きべそをかくような情けない顔に変わり、台に向ってなにやら囁いている。
耳をこらして聞くと
「台君ごめんね。もう怒って叩いたりしないから機嫌なおして。」
それでも機嫌をそこねた台は容赦なかった。あっという間に玉は空になりゲーム終了。その姿を見て隣の席の見ず知らずのあんちゃんが呆れて笑っていた。
気分を害したB先輩がそのあんちゃんにチラリと睨みをくれてから席を立ち去ろうとすると、後ろで服が引っ張られる。
「・・・はなせ。俺は今機嫌が悪いんだ。は・な・せ・よ。はなせって言ってんだろこの野郎!」
B先輩が振り向くと、服はパチンコ台のハンドルに見事に引っかかっていた。



高校3年の卒業も間近い頃、悪友を引き連れて「キャバレー」へ通った。

当時はキャバクラと言うのは世に存在せず、クラブとスナック以外ははっきりとした内容の位置付けも曖昧で大まかに「キャバレー」と呼ぶ所が多く、入って見ないと分からなかった。

大久保駅ガード横の細長いビルの5階。前回他の友人と二人で入った時に、綺麗なお姉さんと恋人気分になれた事に気を良くして、新たに友人AとRを連れて入店した。

ごあんな~い♪ヽ(*'-^*)o
前回のお姉さんが辞めていなくなっていてガッカリした。
同席した女性は二人。一人は厚化粧で、目を凝らすと自分の母親に近い年にも見える。すぐさま機転を利かせてAの横に座らせる。もう一人の女性はまだ20代後半と言ったところか、少しごついが渡りに船とばかりに私とRの間に座ってもらう。

一生懸命笑い話で場を盛り上げるが、楽しませる方がお金を払うとゆう現実に矛盾を感じていたので、楽しまなきゃ損と思い、テーブルの下からそっと女性の手に触れた。
抵抗しない事を確認して手を取る。脈ありと思い握り締める。しばらくして「ギュー!!」と、握り返してきた。いくらごついとは言え、とても女性の力とは思えない握力である。宇宙人か!それともニューハーフか!!
たぐり寄せて握った手の出所を目で追った。((o(○`ε´○)o)) 笑いをこらえて真っ赤になった友人Rの手だった (〇o〇;)
「ブハー!!」と噴出して弾けた笑いはお互い「ヒー!ヒー!」とゆう笑い泣きに変わり、手を握りながら離してくれずに延々と続いた。



私が18、19の頃にはまだカラオケボックスなるものが無かった。
歌いに行く場所と言えばスナックかパブだった。カラオケ自体がまだ流行ってない時代だけに歌の上手い人よりもヘタクソが圧倒的に多かった。
その中でも特にヘタクソな友人二人がデュエットした。私も含めて仲間は7名。
そこはホームグランドの浅草のとある地下のパブ。広くて暗くて豪華である。エンジ色でビロードの大きなソファーに大理石のテーブル、大きなシャンデリアとやはりエンジのカーテン。映画でよく見るやくざ同士のドンパチが似合いそうな今ならば重要文化財に指定されそうな作りである。
白のタキシードを着てポマードで髪を光らせた細面のお兄さんがニコニコと微笑みながらピアノを弾き始めた。
歌う二人の名は、ミツヒコとトシボウ。浅草界隈ではやんちゃで有名な二人だが、音痴でも有名だ。
しゃがれて甲高いミツヒコの歌声と低くしゃがれたトシボウの歌声は、お互い軽く1オクターブは音程が外れて、この世のものとは思えない偶然で奇妙なハーモニーとなった。坊さんのお経と狂言師との戦いにも聴こえる。店内爆笑。
ピアニストの微笑みはすぐに消えて、優しい顔がみるみる険しくなって行く・・・眉毛を吊り上げ口がへの字に変わってゆく様子は、映画「大魔神怒る」を思い出させた。
「バーン!」
ピアニストはいきなりピアノを叩いて、唇をワナワナと震わせながら吐き捨てるように言った。
「やってらんないよ!」
そして店を飛び出してどこかへ行ってしまった。
ピアニストには悪いが、私は人生でこの時ほど笑い転げた事は無かった。(*≧m≦*)



自動車保険の加入条件を読むと、年が若いほど無茶な運転をする可能性が有ると言うことで、保険料が安くないのが通常である。私はその項目を読むたびに昔の出来事を思い出して、ついうなづいてしまう。
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それは私がまだ若かった二十歳の時、釣り場に向かう途中に起こった印象深い出来事(事件)である。
朝マヅメの釣りに間に合うために、一人甲州街道を車でひたすら西へと向かっていた。深夜の国道は走る車もまばらで、眠気と寂しさを癒すため、青信号をいくつ通過できるかを一人で数えながら走った。その内、信号待ちで隣に着いた車が盛んにアクセルをふかし始めた。気づいた私が隣に目をやると、シャコタンの白い車に乗ったとっぽいあんちゃんが、ニヤニヤと挑発的な表情でこちらを見ている。(オイオイ、おまえも暇人か~)私が彼の挑戦を受けない理由は何もなかった。

信号が青に変わった途端、私の車はス-パ-ダッシュ!いきなり挑戦に応じてきた私に驚いて出遅れた白いシャコタンは、爆音をたてて追いかけてくる。そして再び信号待ち。シャコタンは青に変わる直前に平気でフライングしてすっ飛び出た。(オイオイ、おまえさんは勝つためには手段を選ばねえのか~)

青信号を三つ越えたところでシャコタン君が5メ-トルほど私をリ-ド。遠い前方を見ると次の信号が黄色に変わった。私はシフトダウンをして思いっきりアクセルを踏み、シャコタンをひとまず追い越して自己満足したあと減速した。一瞬抜かれたシャコタンはむきになって加速して、赤に変わりそうな交差点に突入していった。と、その時、右から少し早めに発進して来た軽トラックがシャコタン君と接触しそうになった。
「あぶない!」
ドキッとした私の叫び声とほぼ同時に、思いっきり左にハンドルを切ったシャコタンはスピンしながら歩道に乗り上げ、今度は右にハンドルを切った拍子に高い歩道から右のタイヤが道路側へガクンと落ちてゆっくりとひっくり返った。

私は信号脇に車を止めて慌てて駆け寄った。近くまで行くとさすがに気まずさで歩み寄るスピ-ドが鈍ったが、接触しそうになった軽トラックから下りてきたオッチャン二人は更に気まずそうである。そしてオッチャン二人は、恐る恐る逆さになったままの白いシャコタンの中をのぞき込んだ。その途端、心配そうな顔が徐々にほころび、ニヤニヤとし始めたかと思ったら、ゲラゲラと笑い始めた。私はキョトンとしながら、車の中をのぞいた。逆さになった彼が人なつこそうな表情で照れ笑いしている。その車内のカ-ステレオからは当時のヒット曲、夏木マリの「お手柔らかに」が軽快に流れていた。・・・私の負けよ~♪お手柔らかに~♪♪・・・。



オオカミだったのに! (徳2号)

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2002年8月下旬火曜日の朝、深夜まで仕事をして眠りについていた私の耳に「兵庫県山中の畑で、珍獣発見」とテレビで騒ぐ声が聞こえてきた。目を覚ますと日本テレビ峰竜太の「情報ツウ」と言う番組だった。見た事も無い珍獣が畑で弱ってうずくまっていて捕獲したが、獣医さんですら何の動物だか分からないまま、死んでしまったと言う。冷凍保存してあるが、引き取り手がいなければ埋葬する予定だそうだ。

私はテレビに映ったその珍獣の写真を見て驚いた!裂けた口、鋭い爪、毛の抜けた肌の色・・・。
それは。。。。